(今日の一冊) 標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録

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標的は11人-モサド暗殺チームの記録- / G.ジョナス  新庄 哲夫 訳

1972年9月、PLOの過激派「黒い九月」がミュンヘン五輪選手村を襲撃し、イスラエル選手団の一部を虐殺した。激怒したイスラエルの秘密情報機関モサドは暗殺チームを編成し、アラブ・テロリスト指導部の11人を次々に消して行く……。今は本名を変えて米国に住む、元暗殺隊長の告白に基づく凄絶な復讐の記録。冷徹な組織の論理と揺れ動く個人の心理をドラマチックに描出する。


 明日から公開される、スティーヴン・スピルバーグの新作映画『ミュンヘン』の参考図書ということで、読んでみました。

 決して感動できる本ではありません。ミュンヘンオリンピック事件の後の壮絶な復讐劇を実行グループの側から記録した作品で、内容は非常にリアルに感じられます。(国家が暗殺チームを編成するという題材だけに信憑性についてはいろいろ議論があったようですが。)

 読み物として非常に面白いため、これがフィクションでなく事実に基づいた(といわれている)作品であると言うことが非常に恐ろしく感じます。正直、この作品の登場人物に対して全く感情移入ができませんでした。彼らは確かに途中で悩みます。ただそれはヒューマニズムに基づくものでは無く、あくまでも任務に対して倦怠を感じているだけのように感じられました。結局、任務の中で何人もの人間(その中には任務とは関係の無い者も含んでいます)を殺害している訳ですから・・・・・。

 このような現実がかつてあり、そして現在も終わることなく続いている事実。その事に非常に戦慄を覚えました。

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原本の表紙


 
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録

この記事へのコメント

yasuhara
2006年02月05日 20:07
トラックバックをどうもありがとうございました。
本書はほんと、怖い話ですよね。
TM
2006年02月05日 21:04
yasuharaさんコメントありがとうございます。
また、見に来てください。


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  • 認められないことの恐怖

    Excerpt: ・ジョージ・ジョナス 『標的は11人』(新庄哲夫訳、新潮文庫) もうすぐ公開され Weblog: 日々の営み racked: 2006-02-05 20:10