(今日の映画)ジョン・ラーベ
まあ、日本人キャストも結構豪華なので残念ではありますが、日本上映が難しいのは良くわかりました(香川照之の熱演は素晴らしいのですが、演じる役が役ですからね・・・・)。
しかしまあ、ナチス党員で軍需企業の人間であるジョン・ラーベをあたかも平和主義・平等主義の一市民のように描いているのはどうなのかな?と思いましたね。
ただ目の前にある命を守りたいという思いを行動に移したことは良いことだとは思いますが、その一方で自国のホロコーストについては無関心であったわけですしね。しかも、相変わらず白人側の上から目線で話が進みますし。
はっきり言って、物語の背景についての説明が少なすぎます。恐らく、日本と中国以外の人間に偏った印象を与えるのではないでしょうか。たとえば、ナチスドイツであっても日本人よりは理知的であったかのような・・・・・・。
ただ、残念ながらこの偏りを主張できるのは日本人しかいないんですよね・・・・。そういう意味でも、厳しいとは思いますが是非日本でも上映をしてもらいたいです。
この作品については採点を控えさせていただきます。
この記事へのコメント
まず、ラーベは確かにナチス党員ではありましたが、ドイツ本国には長い間帰国していなかったため、それほどナチスについてよく知らずに党員になったようです。まあ、当時のドイツ人としてはそれほど珍しくはない、普通の人だったと思います。映画を観ていないので、どのような描かれ方をしているのかわかりませんが、実際のラーベについては、決して根っからの善人・偉人ではなかったにも関わらず偉業を成し遂げたというところに逆に魅力というか、興味深く思っているところです。
また、ラーベが軍需産業の人間という情報ですが、どうもデマ、少なくともはっきりした出所のある情報ではないようです。
以下のページはラーベをはじめ南京事件全般についてかなり詳しく調べられているサイトのものです。ご参考にどうぞ。
http://www.geocities.jp/yu77799/rabe3.html
また、興味深いサイトの紹介ありがとうございます。
ぜひとも日本でも上映を実現し、いろんな議論を交わしたいものですね。